- おそい
- I
おそい【襲】〔動詞「おそう」の連用形から〕(1)上をおおうもの。 覆い。
「~・棟(ムネ)などに長き枝を葺きたるやうにさしたれば/枕草子 99」
(2)〔馬をおおうもの, の意〕鞍。「御~はいづれをか奉らむ/宇津保(初秋)」
(3)屏風や障子の枠の木。 襲い木。「~にはみな蒔絵(マキエ)したり/栄花(衣の珠)」
(4)屋根板のおさえ。II「弓矢なき者は~の石木を以つて打ちければ/盛衰記 34」
おそい【遅い・鈍い】(1)物事の時期や順序があとである。 基準になる時から時間がかなり経過している。 《遅》⇔ はやい「入社は彼の方が~・い」「例年より開花が~・い」「今日はもう~・いから明日にしよう」〔時刻・時期の場合は「晩い」とも書く〕(2)時期がすでに過ぎていて役に立たない。 間に合わない。 《遅》「今ごろ来たってもう~・い」(3)物事をするのに時間がかかる。 また, 進む程度が小さい。 のろい。⇔ はやい「スピードが~・い」「仕事は~・いが丁寧だ」「発育が~・い」(4)にぶい。 愚かだ。「さ様のことにも, 心~・くて物し給ふ/源氏(蓬生)」
﹛派生﹜~さ(名)︱慣用︱ 今や遅し遅かりし由良之助(ユラノスケ)〔歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」で, 大星由良之助が主君の切腹に間に合わなかったことから〕時機を逃して用をなさないことにいう。遅きに失・する遅すぎて間に合わない。 時機におくれて役に立たない。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.